バイナリーオプションは簡単だと紹介されている割にはうまくいかずに悩んでいる人も多いのが現状です。
「利益が全然出ない…」「テクニカル分析が分からない…」「チャートやインジケーターが読めない」
このような行き詰まった人を救済するかのように宣伝されているのがバイナリーオプションの「取引(運用)代行サービス」です。
果たして、本当に代行をお願いしても問題ないのか?
この記事では、運用代行の違法性や業者の目的、代行を行っている人の人物像や被害の実例まで運用代行の真実をご紹介します。
バイナリーオプションの運用代行とは
バイナリーオプションでは、他人に投資をお願いするサービスのことを運用代行(取引代行)といいます。
その名の通り、自分で分析をしてエントリーを行い利益を追求するのではなく、業者や個人に取引・運用を委託して投資を行います。
当然、利用料金を支払う必要があるのでタダではありません。
簡単にいうと、最近ではメジャーになっている投資信託のようなもので、自分でうまく資産運用ができない人に向いているサービスです。
トレーダーがすることは口座開設をして資金を入金することだけです。
あとはその口座と資金を使って運用代行側が取引をして出した利益から手数料を差し引いた金額が自分のものになるというわけです。
運用代行の利用料金は?
利用料金は、業者や個人によって設定が違いますが、おおよそ利用料金の相場は、利益額の10%~20%です。
【具体例】
例えば、利益が20万円出たとすると2万円~4万円の料金がかかるということになり、自分の手元には18万円~16万円が入ってきます。
ちなみに、投資信託の売買委託手数料の相場が3%前後です。
同じく20万円の投資を行ったとすると…手数料は「20万円×3%=6千円」と安いです。
他に管理手数料が3%程度保有時に発生し続けますが、安い手数料で利用できるようになっています。
バイナリーオプションの運用代行業者や個人代行について
投資信託は銀行や証券会社など信用のある機関がが行っていて、利用の際はしっかりと契約書を交わしトラブルが起こることはまずありません。
しかし、バイナリーオプションの運用代行は違います。
- ほぼ全ての運用代行が業者ではなく個人が行っている
- オンラインでのやり取りのみで契約書がない
- バイナリーオプション業者とは無関係
- 代行者の情報が不透明
このように、利用するトレーダー側にとってはかなり不安要素の強い運営者ばかりなので、詐欺のリスクも高くなっているのです。
特に気になるのは、バイナリーオプション業者とは無関係な点です。
ハイローオーストラリアやザオプションなどの業者に運用代行をお願いしようと思っても、そもそもそんなサービスすらないので利用することはできません。
個人はどのように利用者を募集しているのでしょうか?
運用代行の申込み方法
バイナリーオプションの運用代行の探し方はとても簡単です。
Twitterで利用者の募集が呼びかけられているケースが多いです。
毎日どんどん増えていきますね!
— しょう (@runarunachannel) August 31, 2018
基本月利500~1000%で運用しています!
コンサル生
運用代行
興味ある方は連絡ください!#バイナリーオプション#BO#FX#投資#コンサル#運用代行#お金稼ぎ pic.twitter.com/wLrOpWoX8y
知り合いのトレーダーが
— 5000m大好きマン (@gorogorokunn1) August 9, 2018
バイナリーオプションで
運用代行してくれるみたいです!
平気で日利100%
出す凄い人です!
僕は50万預けて
1ヶ月後に300万に
なって返ってきました!
詳細聞きたい方は
リプかDMください!#バイナリーオプション#自動売買#FX#投資 pic.twitter.com/aqxf6Srvfd
このように、Twitterの募集を見てコメントやDMをしてコンタクトを取り、申込みをして利用を開始するのです。
どのアカウントも素性が分からないものばかりですね。
募集しているアカウントすべてが詐欺だとは言いませんが、ほとんどが怪しいということは覚えておいてください。
「詳細はLINEで!DMで!」というスタイルばかりで事前に情報収集することはできません!
バイナリーオプションの運用代行は違法
SNSを使って堂々と利用者の募集が行われていますが実は法律に違反している行為です。
日本には「金融商品取引法」という法律があります。
第2款 投資助言業務に関する特則
一 顧客相互間において、他の顧客の利益を図るため特定の顧客の利益を害することとなる取引を行うことを内容とした助言を行うこと。
二 特定の金融商品、金融指標又はオプションに関し、顧客の取引に基づく価格、指標、数値又は対価の額の変動を利用して自己又は当該顧客以外の第三者の利益を図る目的をもつて、正当な根拠を有しない助言を行うこと。
三 通常の取引の条件と異なる条件で、かつ、当該条件での取引が顧客の利益を害することとなる条件での取引を行うことを内容とした助言を行うこと(第一号に掲げる行為に該当するものを除く。)。
四 助言を受けた顧客が行う取引に関する情報を利用して、自己の計算において有価証券の売買その他の取引又はデリバティブ取引(以下「有価証券の売買その他の取引等」という。)を行うこと。
五 その助言を受けた取引により生じた顧客の損失の全部又は一部を補てんし、又はその助言を受けた取引により生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させること(事故による損失の全部又は一部を補てんする場合を除く。)。
六 前各号に掲げるもののほか、投資者の保護に欠け、若しくは取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるものとして内閣府令で定める行為
この他にも、掲載できないほど細かい決まりがあります。
ざっくりと説明すると、個人だろうと法人だろうと登録もなしに投資助言や取引の代行を行ってはいけないということです。
そして、投資顧問業の資格を持って代行を行っている人は見たことがありません。
本当に正規のルートでバイナリーオプションの代行業を営んでいるのであれば、募集要項に必ず以下の掲載があるはずです。
- 会社や個人の名前や所在地などの概要
- 投資顧問業として資格があり登録を行っている証拠
- 契約書を書面で発行していること
バイナリーオプション業者と同じで、会社や個人の素性を明かしたうえで利用する人を募集するのが普通なのです。
また、金融商品取引法に違反をした場合、罰金刑だけではなく悪質度が高いと懲役刑になることもある重大な違法行為なので十分注意しましょう。
バイナリーオプション業者も運用代行を禁止している
例えば、ハイローオーストラリアの契約条件には、他人名義の口座を利用することに関して次のような記述がありました。
当社はお客様一人に対して、一つの取引口座のみ 付与いたします。同一のお客様が、複数の取引口 座を保有することを固く禁じます。第三者に成り すまして、別の名義の取引口座を使用することも 固く禁じます。
(x) お客様は禁止行為の直接参加し、または他人 に参加させたりしてはなりません。
(y) 当社は取引の取消し、復元、または利益の修 正、資金の凍結、資金引き出しの拒否または 遅延、発注の全部または一部の取消しまたは 変更を行う権利を有し、それを行使すること ができること。
その理由はまたもや法律が関係していて「犯罪収益移転防止法」に違反するからで、運用代行は借名取引に該当するためです。
バイナリーオプション業者側も犯罪行為に使われなように対処しています。
バイナリーオプション業者の指定する禁止事項に該当する行為をしてしまうと、口座凍結や強制解約の可能性が高くなります。
利益没収もありえるので、かなりリスクが高いのです。
バイナリーオプションの運用代行のデメリット
情報をまとめるとメリットはないことが分かります。
反対にデメリットはたくさんあるので、まだ運用代行の利用を考えているのであれば全部に目を通してもう一度考えてみて下さい。
- 口座を乗っ取られて悪用される
- 口座に入金した資金を持ち逃げされる
- 利益が出ても還元してもらえず持ち逃げされる
- そもそも勝率が掲載されていない
- 真剣に取引をしていない
- 報酬の他に取引手数料や人件費がかかることもある
- 手数料として払っ分にも税金がかかる
- 個人情報が売られる可能性がある
- 口座凍結や強制解約・利益没収のリスクがある
バイナリーオプション取引を委託しても、自分の手元にお金が戻ってくる可能性は限りなく低いのです。
それに、バイナリーオプション業者の利用停止をくらう可能性もあります。
許容範囲を超えたデメリットを受け入れてまで、バイナリーオプションの運用代行を利用するメリットはありません。
まとめ
バイナリーオプションの運用代行について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
詐欺の可能性が高い運用代行を使ったとしても、自分の元にお金が戻ってくる可能性はかなり低いです。
運営者の実態が掴めないことで警察も動いてはくれません。
バイナリーオプション業者の規約にも違反することになるので、問題が起きても助けてもらうどころか協力さえお願いできないのです。