多くの人に認知されている一目均衡表。
テクニカル指標が海外発祥である中で、日本人が長い時間をかけて考案した国産のテクニカル分析となっています。
5種類の線+3種類の理論から構成されているのが特徴です。
使い方や組み合わせを知っておけばバイナリーオプションの攻略にも活用できるので、ポイントを抑えて勉強していきましょう。
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一目均衡表とは?概要と特徴
1936年の昭和の最初の頃に細田悟一さん(ペンネーム:一目山人)が考案しました。
自身が開設した研究所に、2000人のスタッフを雇い7年という長い年月をかけてやっとの思いで完成させたテクニカル分析です。
2021年現在は三代目一目山人として細田哲生さんが活躍をしています。
種類 | トレンド系 |
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得意 | レンジ相場 |
使い方 | ・相場の変化のタイミング ・目標値を達成するタイミング |
難易度 | 初級 |
大きな特徴 | 相場の動向を判断する |
相場は買いと売りのバランスが崩れた方向へ動き、方向性が決まったら行く先は一目瞭然であるという考え方からできた指標です。
要するに「方向性が確立すればその流れは継続するだろう」ということになります。
元は株式の分析のために作られたテクニカル指標ですが、現在ではFXやバイナリーオプションなどでも活用されています。
5種類の線の役割
概要と歴史が分かったら、次は一目均衡表を構成している5種類の線の役割について見ていきましょう。
一目均衡表を構成する5種類の線は以下の通りです。
基準線 | 過去26日間の終値の最高値と最安値の平均を結んだもの 中期的な相場の方向性の判断ができる |
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転換線 | 過去9日間の終値の最高値と最安値の平均を結んだもの 短期的な相場の方向性の判断ができる |
先行スパン1 | 基準線と転換線の平均値を26日先行したもの |
先行スパン2 | 過去52日間の最高値と最安値の平均を26日先行したもの |
遅行スパン | 26日前の終値 |
先行スパン1と先行スパン2の間を塗ってある部分が「雲」です。
基本数値と複合数値の時間論
次に一目均衡表の3種類の理論についてです。
まず最初に時間論についての解説からしていきます。
時間論 | 最も重要視されている理論で時間の視点から分析をすること |
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波動論 | チャートの波形から分析をすること |
水準論 | 上値と下値から次の天井・底の予想をすること |
時間論では【9・17・26】の基本数値、【33・42・65・76】の複合数値を使います。
あるポイントから上記の日数が経過したタイミングで何らかの変化が起きることが多い傾向から分析を行う方法です。
シンプルな波動論
次は波動論についてです。
複雑なことはなくシンプルに3つのチャートパターンから分析を行うもので、I波動とV波動で推移が繰り返され最後にはN波動となります。
I波動 | 上げだけ・下げだけ |
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V波動 | 上げ下げ・下げ上げ |
N波動 | 上げ下げ上げ・下げ上げ下げ |
上昇している価格はN波動が完成するまでは下降せず、下降している価格はN波動を完成するまでは上昇しないという考え方です。
目標値を算出する水準論
最後は水準論です。
他にも値幅観測論とも呼ばれていて目標値を計算するためにあり、代表的な4つの計算式から天井・底の分析をします。
V計算値【B+(B-C)】 | 上昇トレンド:高値+(高値-安値) 下降トレンド:安値-(高値-安値) |
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N計算値【C+(B-A)】 | 上昇トレンド:反発の価格+(高値-その前の安値) 下降トレンド:反落した価格-(高値-安値) |
E計算値【B+(B-A)】 | 上昇トレンド:高値+上昇幅 下降トレンド:安値-下落幅 |
NT計算値【C+(C-A)】 | 上昇トレンド 反発時の価格+(反発時の価格ー上昇の開始した地点) 下降トレンド 反落時の価格ー(下落開始時の価格ー反落時の価格) |
高値と安値の判断は自分でしなければいけません。
このように時間論でトレンド転換・波動論で値動き・水準論で上値と下値の目標値を予測して、先行スパン・雲・ローソク足を参考に分析を行えるのが一目均衡表です。
より詳しい情報や出版物・勉強会への参加は株式会社経済変動総研をチェックして下さい。
細田悟一さんのご遺族の方が運営されている公式サイトで、マガジンの配信やブログの公開なども行われています。
バイナリーオプションでは一目均衡表の雲に注目
先行スパン1と先行スパン2の間のエリアを雲と言います。
チャート上で色を塗りつぶされていたり、点線や斜線が入れられているのですぐにここが雲だと判断はできるはずです。
雲は相場の上値抵抗線・下値抵抗線として活用することができます。
投資家心理が反映されているので、HighでエントリーすべきなのかLowでエントリーすべきなのかの予想を立てるのにも役立つのです。
まずは雲が何を示しているのかを覚えておきましょう。
雲が示しているシグナル
大きく分けると一目均衡表の雲のシグナルは4つあります。
有効活用するためのポイントは雲の厚みと推移している場所をしっかり見て相場の状況を判断することです。
- 雲の厚みは抵抗の強さ
- 雲を抜けたら抵抗は弱くなる
- 価格が雲の上で推移している時は強気相場
- 価格が雲の下で推移している時は弱気相場
まずは雲をしっかり見ることで相場の方向性・抵抗の強弱を判断できます。
例えば下降トレンドだとしても厚みのある雲が下に広がっていたら、反発が起こる可能性を考え予想を立てることが可能です。
シグナルの中でも厚みはかなり重要なので注目して見ておいてください。
ねじれた雲は転換点
上昇雲や下降雲はひと目見ただけで判断できます。
では上昇や下降の終わりのポイントを見て下さい。雲のねじれが発生していることがあるはずです。
1つ目のねじれでは上昇トレンドに転換しています。
2つ目のねじれでは下降トレンドの転換しているので、雲の切り替わりで出現するねじれは転換点として判断することができるのです。
上記のチャートを例にしてエントリーの判断をするなら
・ローソク足が雲の上にありねじれが出現したからHighエントリー
・ローソク足が雲を抜け下降しねじれが発生したからLowエントリー
という感じになります。
雲だけでバイナリーオプションはできる?
トレーダーからの質問で、雲だけでバイナリーオプションがしたいという声は多いです。
結論から言うと根拠が弱いケースが多いので雲だけでのエントリーはおすすめしませんが、High・Lowの判断ができない訳ではありません。
詳しい解説動画がありました。
エントリーのポイントは以下の3点です。
- 雲が薄くなっている
- ローソク足が薄くなった雲に下から入っている
- 雲を上に突き抜けている
- 通知設定
上記の場合はHighエントリーのサインになっていて、Lowエントリーをする場合は反対のパターンを満たしている時です。
他にももう一つエントリーのチェックポイントがあります。
- ローソク足が雲の中に入っている
- 抜けることなく停滞を続けている
- 停滞していたローソク足が雲を抜ける
停滞している時は突き抜けるのを待ってエントリーをしてください。では最後のひとつです。
- ローソク足が雲の中に上から入る
- 雲の中ですぐに反発が起こる
- 再び雲の上に戻ってくる
ご紹介したサインはこれから上昇傾向・下降傾向が強くなることを示しています。
心もとない部分もありますが雲だけでも重要な情報を得ることができるので、相場の状況を見ながら分析に取り入れてみてください。
一目均衡表をチャートに表示させる方法
標準装備されているテクニカル指標なので簡単に表示させることができます。
今回はバイナリーオプションで多く使われているMT4での表示の方法で解説しますが、MT5でもそこまで変わらないので参考にしてください。
MT4上部のメニューの挿入をクリックして以下の通りに進めます。
インジケーター→トレンド→Ichimoku Kinko Hyoの順番で選択していくと、パラメーターの設定画面にたどり着いたはずです。
基本的にバイナリーオプションの分析では初期設定のまま使います。
一目均衡表のパラメーターの初期値は転換線9・基準線26・先行スパン52となっているはずなので、挿入前にもう一度確認してみてください。
これでチャートに表示ができました。
背景色や文字色によっては一目均衡表が見にくいことがあるので、その場合はプロパティで色を変更すると見やすくなります。
相性がいいテクニカル指標の組み合わせ
他のテクニカル指標との組み合わせは何通りもあります。
使いやすさなどは個人差があるのでこのコンビなら勝てると断言できるものはありませんが、相性がいい組み合わせはあるので試してみてください。
一目均衡表+ボリンジャーバンド
一目均衡表と相性がいいおすすめの指標はボリンジャーバンドです。
トレンド相場でもレンジ相場でもテクニカル分析に使うことができる組み合わせなので、最初に試してみてもいいかもしれません。
ボリンジャーバンドは+2σ・-2σ、一目均衡表はゴールデンクロス・デッドクロスを参考に分析を行っていきます。
転換線と基準線のゴールデンクロス・デッドクロスが確認できたら、+2σまたは-2σにタッチしているかを見ます。
他にもボリンジャーバンドの移動平均線の向きも重要です。
トレンドの転換点をよく見てHigh・Lowの判断をしましょう。
一目均衡表+MACD(マックディー)
MACDも一目均衡表とは相性のいい組み合わせです。
シグナルが早く出現するマックディーの特徴を活かして、トレンド相場でのテクニカル分析に活用してみてください。
今回もゴールデンクロス・デッドクロスに注目します。
例えばMACDでゴールデンクロスが確認できたら、一目均衡表のゴールデンクロスが確認できるかどうかをチェックします。
どちらも出現していたらあとは基準線の向きや雲との位置関係を見てください。
0の線を超えて出現している時は、他の位置でのゴールデンクロス・デッドクロスよりも強いシグナルだと言われています。
一目均衡表+ストキャスティクス
レンジ相場で活用できるのがストキャスティクスです。
相場の流れを読んで繰り返しエントリーをすることができるので、取引回数が多い方がいいトレーダーに向いている組み合わせになっています。
まずは一目均衡表でレンジ相場の判断をします。
- 基準線が平行に推移している
- 薄い雲でローソク足を挟んでいる
- 遅行スパンがローソク足の上や下を行き来している
3つの特徴が確認できていればレンジ相場だと判断できます。
次にストキャスティクスを見ます。
70%または30%のラインをゴールデンクロスしている・デッドクロスしているポイントを探してください。
エントリーの判断は以下の2パターンです。
- 70%のラインをストキャスティクスがデッドクロス
- 30%のラインをストキャスティクスがゴールデンクロス
ただこの組み合わせではダマシもたまに出てくるので注意しなければいけません。
ゴールデンクロス・デッドクロスが確認できた時はすぐにエントリーせず、一旦ローソク足の動きも確認することで回避できます。
徹底してダマシを回避するならスローストキャスティクスを使う方法もあります。ただ短期取引に向いているのは一般的なストキャスティクスです。
バイナリーオプションと一目均衡表についてのまとめ
使い方が難しいと言う人も多い一目均衡表ですが、慣れるととても便利です。
シンプルに使ってみたい時はまずは移動平均線と組み合わせて、押し目でエントリーをすることから始めてみてもいいかもしれません。
組み合わせを作るならデメリットを補い合えるペアにしてみましょう。