トレンドを分析する時に使われるADXは、バイナリーオプションの攻略をする時に重要な情報を得ることができるインジケーターですが、少し扱いにくいのも事実です。
そのためある程度慣れてスキルがある人に向いています。
初心者でも使えないことはないですがADXについての知識が必要になるので、使いこなせるようにここで勉強していきましょう。
最適なバイナリーオプション攻略法に迷っている方は、当サイトの「バイナリーオプションの攻略手法総まとめ!勝ちたいなら要チェック!」を参考にしてください。実際に活用できる攻略法をまとめていますので試す価値ありです。
ADXはどんなインジケーター?
ADXはRSIでおなじみワイルダー氏が考案したインジケーターです。
正式にはAverage Directional Movement Indexと長い名前で、日本語に直すと平均方向性指数と言います。
種類 | トレンド系 |
---|---|
得意 | どちらの相場にも対応 |
使い方 | トレンドの発生・強弱・方向性・終了・転換 |
難易度 | 中級以上 |
大きな特徴 | トレンドの強さや向きを知ることができる |
バイナリーオプションでは絶対に欠かすことができないトレンドの見極めができるインジケーターで、当日と前日の高値・安値を比較し算出しています。
基本的にADXはバイナリーオプションでは順張りで使うことが多いようです。
同じくトレンドの把握ができる移動平均線のように傾きで判断するのではなく、動きと数値で判断ができるのですぐに理解できます。
また、ADXは単体で使うのではなくDMIと一緒に表示させることが多いです。
DMIはDirectional Movement Indexのことで日本語に直すと方向性指数と言って、上昇方向に動いているのか下降傾向に動いているのかを知ることができます。
ADXに加えて+Dと-Dの合計3本の線を使って分析をしていきます。
+Dは上昇トレンドの強さを示していて、反対に-Dは下降トレンドの強さを示しています。以下の情報が3つの線に詰まっているのです。
- ADXでトレンドの強弱を判断する
- DMIでトレンドの向きを判断する
冒頭でもご紹介したようにトレンドの発生や転換・終了などの情報を掴むことができる優秀なインジケーターです。
明確なトレンドを掴みたいときは活用をおすすめします。
ADXの定義と計算式
ではADXについてもう少し詳しく見ていきましょう。
トレンドの強弱を知ることができるADXは+DIと-DIの情報を合わせて、総合的にトレンドの強弱を示している線です。
40と20のラインを基準にADXがどの位置で推移しているかでトレンドの強弱を見ます。
通常はインジケーターの計算式は根拠を確認するためにも頭に入れたほうがいいとお伝えしていますが、複雑なのでなんとなく理解しておく程度で問題ありません。
しっかりとADXとDMIを使えるようになるまでは「ADXの数値が高ければ上昇方向への勢いが強く・低ければ下降方向への勢いが強い」と覚えておきましょう。
DMIの定義と計算式
次はDMIの+DIと-DIについてです。
2本の線は相場の方向性の判断ができるもので、前の日の高値・安値と当日の高値・安値を表しているインジケーターとなっています。
- +DI:前日の高値を当日の高値が上回りプラスの方向へ上昇
- -DI:前日の安値を当日の安値が下回りマイナスの方向へ下落
もうお分かりのように+DIは上昇トレンドの強さを、-DIは下降トレンドの強さを示しています。
+DIの数値が大きくなればなるほど上昇傾向が強く、-DIの数値が大きくなればなるほど下降傾向が強いという判断をしてください。
算出方法は先程の解説サイトでは以下のように紹介されています。
DI = DM ÷ TR
PDMt(n) = +DMt + +DMt-1 + ・・・ + +DMt-n+1
MDMt(n) = -DMt + -DMt-1 + ・・・ + -DMt-n+1TRt(n)= TRt + TRt-1 + ・・・ + TRt-n+1
DMIもまたまた難しい計算式なので丸暗記しなくても問題ありません。
チャートに挿入した時に根拠のあるエントリーができるように、ADXとDMIの定義だけでも頭に入れておきましょう。
バイナリーオプションでのADXの活用法
次にADX/DMIの活用法を解説します。
3つの線を見てテクニカル分析をするので難易度が高そうに感じますが、見方がシンプルなのでコツさえ掴めば強力な武器になるのです。
トレンドの発生
最初にトレンドの発生の見方です。
単独ではなく必ずADX・+DI・-DIの3つの線を見ながら分析を行い、すべての線を有効活用して情報を得ながらトレンドの発生を判断します。
このようにADXと一緒に+DIや-DIの数値が大きくなっているところに注目です。
+DIが上がれば上昇トレンド、-DIが上がれば下降トレンドになっています。
上昇や下降の傾向が継続されているうちはトレンドも続いていると判断しますが、転換・収束のサインには注意してください。
トレンドの転換・収束
転換や収束のサインは見落とさないようにしなければいけません。
上記のようにトレンドが継続しているときに、まだADXの数値は高い状態でも+DIまたは-DIが下降を始めたら転換や収束のサインです。
+DIまたは-DIが下降している時はトレンドは少しずつ収束に向かっている状況で、今後再度上昇する可能性は低いと考えられます。
トレンド転換のサインだと判断してください。
ただ、1つだけ気をつける動きがあります。
トレンドが変わったわけではなく、収束し次のトレンドが発生していない状況です。
もみあいの相場
チャート上のADXも±DIも動きが鈍い時はトレンドが発生していません。
今後の相場の値動きがどの方向に向かうのかがまったく予想できない動きになった時は、レンジ相場になっていると判断します。
ADXを見ながらレンジ相場で順張りをするのはかなり難しいです。
動きのない相場は順張りには不向きなのでトレンドが発生するまで待つことをおすすめします。逆張りも簡単ではありません。
ADXを表示させる方法
ではチャートにADX/DMIを表示させてみましょう。
他のインジケーターを入れる時と同じようにMT4(MT5)のメニューから挿入を選び、インディケータ→トレンド→Average Directional Movement Indexをクリックしてください。
DMIはどうやって挿入するんだろうと迷う人もいますが一緒です。
Average Directional Movement Indexを押すとパラメーターや色の設定ができる画面が開いたはずなので、色の設定からNoneになっているDIに色を設定してください。
最後にOKをクリックすると3つの線がチャートに表示されたはずです。
テクニカル分析の途中で隠したい線が出てきた時は、Noneに設定を変えてしまえば表示されないので活用してみてください。
パラメーターの設定
基本的にバイナリーオプションではADXの期間は14日の設定が多いです。
相場の状況などに応じて特別にこだわった手法を使う時以外は、一般的な14日で設定をしてテクニカル分析を行ってください。
レベルの設定はトレーダーによって違いますが以下の2つが多く使われています。
- 20~30の1本を表示させる
- 20~30と40~50の2本を表示させる
他にも18・38・50など3つのレベルを表示させているトレーダーもいました。
個人の分析方法によって期間やレベルの設定は異なるので正解はありません。自分にあったADXのパラメーターで表示させてみてください。
バイナリーオプションでADXを使う時の注意点
ADXは使い慣れる必要はありますが、活躍が期待できるインジケーターでした。
判断がしやすいので分析に取り入れることはおすすめできるのですが、その前にADXを使う時の注意点を抑えておいてください。
エントリーサインは遅い
実はADXはその時の足ではなく1つ前の足を示しているので、エントリーサインを判断しようとするとどうしても遅れてしまいます。
慎重にADXの動きや+DIと-DIの乖離などを観察すればサインを早めに察知することは可能です。
でもバイナリーオプションでは根拠や信頼性を高めて確実にエントリーをしたいので、他のインジケーターを組み合わせて分析をした方がいいでしょう。
フィボナッチとADXは相性がいいと言われています。
使ったとことがない人はまずはフィボナッチについて以下の記事でまとめているので参考に勉強してみてください。
直感で分析は難しい
エントリーサインと関係していますが、ポイントが掴みにくいです。
敏感に動く+DIと-DIやADXの動きの中でクロスしている部分だけに注目をしても、明確なエントリーポイントを直感的に探るのは厳しいものがあります。
ADXと一緒に売買シグナルに強いインジケーターの挿入が必要です。
-DIは呼び方にマイナスがつくので下がるという印象を持つ人が多いですが、ローソク足が下降している時に上昇します。
ADXを使ったバイナリーオプション攻略手法
最後に色々なトレーダーが紹介するADXのバイナリーオプションの攻略手法をご紹介します。
気になる手法はぜひ動画を再生してみてください。
相場の状況などから使い分けができるように、いくつかの手法を覚えておくと効果的です。
ADX+ボリンジャーバンド
初心者でもすぐに使えるADX+ボリンジャーバンドのシンプルな手法です。
自分の取引スタイルに応じてカスタマイズして使うこともできる攻略手法なので、ベースとして覚えておくと有効活用できます。
トレンドを狙った順張り手法です。
まずはADXとボリンジャーバンドを以下のパラメーターでチャートに挿入をしてテクニカル分析の準備をしてください。
- ADX:レベル55・期間5・DIはNone
- ボリンジャーバンド:期間20・偏差2
まずはトレンドが発生していることを確認します。
強いトレンドであればあるほど有効です。ではトレンドが出ていることが分かったら、エントリー条件を満たしているのかチェックしてみましょう。
- ボリンジャーバンドがスクイーズしてエクスパンション
- σ2をローソク足の実体がブレイク
- すぐにエントリーせず数値が上がってきたところで順張り
ブレイクした後にすぐにエントリーをしてしまうと予想外の動きにだまされることがありリスクが高くなってしまいます。
設定した55を超えるまで数値が上がってきたらエントリーです。
ADXでしっかりとトレンドの確認をして、さらにボリンジャーバンドの2σタッチの手法を組み合わせて根拠を強めている手法でした。
ADX+移動平均線
移動平均線との組み合わせも初心者向けのシンプルなものです。
この攻略手法が気になって動画を再生する場合は案内されているLINEへの勧誘や無料特典プレゼントは安易に手を出さないことをおすすめしています。
トラブル回避のためにも手法だけ参考にすると安心です。
ではまずは移動平均線とADXの2つのインジケーターを以下の設定でチャートに挿入してください。
- ADX:期間14・+DIと-DIを色付け・レベル25
- 移動平均線:期間20・200
20日と200日の移動平均線を入れることで、ローソク足との位置関係を見ながらトレンドの状況の判断ができるようになります。
簡単に言うとレジサポラインとして活用できるということです。
ではまずはチャートを見てローソク足が200日移動平均線よりも上にあるのか・下にあるのかを確認してください。
位置によってエントリーが変わります。
- ローソク足が21移動平均線を上抜けまたは下抜け
- ADXと+DI線または-DI線が基準線より上または下
- 3つの条件が確認できたら次足でエントリー
200移動平均線より上に位置している状態でローソク足が21移動平均線を上抜けして、ADXの線と+DIの線が基準線よりも上にあった場合はHighエントリーとなります。
逆パターンで下に位置して下抜けをして下にあるならLowエントリーです。
21移動平均線を上抜け・下抜けした時、ローソク足の実体がある程度長く離れたところから突き抜けたかを確認してください。
ADX+一目均衡表
最後はADXと一目均衡表の組み合わせの攻略手法です。
一目均衡表の雲とローソク足を使った有名なバイナリーオプションの攻略手法ですが、ADXでトレンドの強弱の判断をして根拠を強めています。
シンプルな取引手法でエントリーチャンスも多いです。
連打や金額を上げる方法も紹介されていますが、それはあまりおすすめしないのでよく考えてください。
- ADX:期間5・DI線は不要・レベル40
- 一目均衡表:デフォルトでOK・雲の上昇と下降だけを表示
いつも使うDI線や転換線・遅行スパン・基準線を使わないので気をつけてください。
エントリーの条件は以下の2つです。
- ローソク足の実体が雲を上抜けまたは下抜け
- ADXの数値が40以上
- 2つの条件が確認できたらエントリー
ローソク足は完全に抜けきっていることを確認してください。
雲との位置関係やADXの数値を見て順張りでエントリーをする攻略手法なので、バイナリーオプション初心者でも使いやすいです。
ADXでバイナリーオプションを攻略する方法のまとめ
ADXはバイナリーオプションの攻略には使いやすいインジケーターでした。
最後にもう一度ADX/DMIの特徴やエントリーポイントの考え方についてまとめておくので、取引の参考にしてください。
- +DIが-DIを上回ると上昇傾向が強い・上昇トレンドと判断できる
- -DIが+DIを上回ると下降傾向が強い・下降トレンドと判断できる
- +DIとADXが上昇すると上昇トレンドの勢いが強い
- -DIとADXが上昇すると下降トレンドの勢いが強い
- ADXが25%以下になったらレンジ相場の可能性が高いため逆張りが有効
- ADXが25%以上になったらトレンド相場となり順張りが有効
- レンジ相場はダマシが多く要注意
エントリーのタイミングは掴みやすくなるはずです。
ただADXだけではエントリーポイントを探し出すことは難しいので、他のインジケーターについても勉強してうまく組み合わせてみてください。